目次
1.「体操をすると身長が伸びない」のは本当?
先日、保護者様からご質問をいただきました。
「体操をすると本当に身長が伸びないの?」🤔
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「体操をすると身長が伸びにくくなる」という話を耳にしたことがある人も多いと思います。
私自身も子どもの時から体操を習っていたので、親がとても心配していました💦
ですが、実はこの言葉には正しい部分と間違っている部分が混ざっています。
今回は、なぜそう言われているのか、また、子どもの身長を伸ばすために大切なことをお話ししていきます🤗

2.なぜ「体操をすると身長が伸びない」と言われるのか
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① 体操選手は背が低い人が多いから「そう見える」だけ
一番わかりやすい理由は、体操の選手には背が低い人が多いということです。
「体操をしているから背が低くなる」のではなく、むしろ反対で、もともと背が低くて身軽なほうが体操が得意になりやすいからです。
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② 練習がきつそうだから成長に悪いと思われがち
体操の練習はハードに見えます。跳んだり回ったり、自分の体を支えたり等、筋力トレーニングが多いので、「あんなに大変なら、背が伸びなくなるんじゃない?」と心配されることがあります。
しかし、医学的には体操そのものが成長を止めるという証拠はありません。
過度な運動は良くありませんが、それはどんなスポーツでも同じことです⚠️
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③ 昔は体重管理が厳しいチームが多かった
「体操をすると身長が伸びない」というイメージには、少し昔の体操界の事情も関わっています。
以前は、体操選手にかなり厳しい体重管理が行われることがありました。食事量が少なすぎたり、栄養が偏ったりすると、成長に必要なエネルギーが足りなくなり、一時的に身長の伸びがゆっくりになることがあります。
こうしたケースが重なって、「体操=身長が伸びない」というイメージが広まったのです。
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④ 着地の衝撃で骨が傷つく? 実際はあまり心配なし
「ジャンプして着地を何度もしていると、骨の成長線がつぶれてしまう」という話も聞くこともあります。しかし、通常の体操の練習でそんなことが起きる可能性はとても低いです。
むしろ、ほどよい運動は骨を強くする効果があります!🦴
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⑤ 練習が忙しくて“生活リズム”が乱れるのが原因のことも
もう一つ知っておきたいのは、体操をしている子は練習時間が長くなりがちだということです。
練習が夜遅くまで続くと、
・睡眠時間が短くなる
・夕飯が遅くなる
・学校の宿題でさらに寝るのが遅くなる
といった生活リズムの乱れが起こりやすくなります。
身長が伸びるために一番大切なのは「よく眠る・しっかり食べる・無理をしすぎない」
というごく基本的なことです。体操が直接背を止めるのではなく、こうした生活習慣の乱れが影響している場合があります。
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体操は「成長に良いこと」も多い!
・姿勢が良くなる
・柔軟性がつく
・筋力がバランスよくつく
・骨が強くなる
・自分の体の動かし方がうまくなる
これらはすべて、成長期の子どもの体にとても良い影響を与えるものです。姿勢が良くなることで本来の身長をしっかり発揮できるようになることもあります☺️
3.子どもの身長を伸ばすためには
では、ここからは、子どもの身長をできるだけ伸ばすために大切なポイントをお話しします。
身長の伸びは遺伝の影響が大きいと言われますが、生活習慣や環境によっても成長のスピードや最終的な身長には大きな差が生まれます。
3-1.身長が伸びるしくみ
身長が伸びるのは、骨の端にある「成長板」という部分の細胞が活発に分裂して骨を長くしていくためです。成長板は思春期を過ぎると次第に閉じてしまうため、その前の期間にどれだけ成長を促せるかが鍵になります。
成長板の働きを活発にするために、
・成長ホルモンの分泌を促すこと
・骨をつくる材料(たんぱく質・カルシウム・亜鉛など)を十分にとること
・骨や筋肉に適度な刺激を与える運動をすること
が欠かせません。つまり、食事・運動・睡眠の3つの柱がそろって初めて、身長はしっかりと伸びていくのです。
3-2.栄養バランスが身長の土台をつくる
身長を伸ばすための栄養というと「カルシウム」を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かにカルシウムは骨を丈夫にする重要な栄養素ですが、カルシウムだけでは骨は成長しません。
身長が伸びるには「骨」と「筋肉」をつくる材料が必要です。
⚫︎骨を育てる栄養
・カルシウム(牛乳、ヨーグルト、小魚、チーズ)
・ビタミンD(鮭、卵、きのこ、日光浴でも作られる)
・ビタミンK(納豆、緑黄色野菜)
⚫︎筋肉や骨の成長に必要
・タンパク質(肉、魚、卵、豆腐、納豆)
⚫︎ 背を伸ばすための“隠れた主役”
・亜鉛(貝類、肉、豆類)
・鉄分(レバー、赤身肉、ほうれん草)
特に成長期は「タンパク質」と「カルシウム」が不足しがちです。
バランスの良い食事を、朝・昼・夕の3食をしっかり食べましょう!🍽️
3-3.運動で骨と筋肉を育てる
体を動かすことは、成長ホルモンの分泌を促す最も自然な方法の一つです。特に、ジャンプ運動や、走る動作を含む全身運動は骨にほどよい刺激を与え、骨の密度を高め成長を促します。
・なわとび
・鬼ごっこやサッカーなどの外遊び
・鉄棒
・水泳
これらの運動で、楽しく続けられることがベストです。
3-4.睡眠が成長ホルモンを最大に引き出す
身長を伸ばすために、最も重要と言われるのが睡眠です。
成長ホルモンは、眠り始めてから約1〜2時間後の深い睡眠中に最も多く分泌されます。
つまり、「早寝・ぐっすり睡眠」が身長の伸びを左右するのです。
また、睡眠の質を高めるためには、次のポイントを心がけましょう。
・寝る1時間前にはテレビやスマホを消す
・お風呂は就寝の1時間前にすませる
・寝室を暗く静かに保つ
体は眠っている間に「修復」と「成長」をしています。忙しい日々の中でも、睡眠時間を確保することは何よりの投資なのです。
3-5.ストレスをためない心のケアも大切
ストレスが強いと、自律神経が乱れたり睡眠が浅くなったりして、成長ホルモンの分泌が減ることがあります。
・勉強や習い事のプレッシャー
・人間関係の不安
・忙しすぎて休めない
心の余裕も成長には大事です。
「できたね!」「頑張ったね!」という小さな言葉かけが、自信と安心を生み、心の安定につながります。

4.まとめ
結論:体操=背が伸びない、というのは誤解!
適切な食事、睡眠、休息がしっかり取れていれば、体操をしていても背はきちんと伸びます。
体操自体は体に良い運動であり、姿勢や柔軟性など、成長に役立つ効果もたくさんあります。
身長を伸ばすための特別な魔法はありませんが、日々の積み重ねこそが最大の力!
・毎日3食、バランスよく食べる
・体をしっかり動かす時間をつくる
・早寝、ぐっすり睡眠を心がける
子どもの成長は一人ひとり違います。焦らず、比べず、「今できること」を丁寧に続けることが大切です。
食事・運動・睡眠のリズムを整え、心も体も健やかに育つ環境を整えていきましょう。

にじいろスポーツアカデミー
🌈ゆったん





